2021年5月4日火曜日

長尾和宏医師のブログから日本尊厳死協会について

 

日本尊厳死協会    

2012年11月22日(木)http://blog.drnagao.com/2012/11/post-2775.html


一昨日は日本尊厳死協会関西支部の運営委員会が2時間半あった。
12.5万人もの会員がいるこの組織のことを、ちゃんと話しておこう。
尊厳死も、尊厳死協会も、法制化も、まったく知らないひとのために。

日本尊厳死協会は、一般社団法人です。

顧問には、大会社の社長さんや会長さんがおられる。

理事長はお医者さん。
副理事長は、市民、弁護士、医師など。
理事は、多種多様な職種。

長尾は、医者として副理事長職をしていなない。
一市民として、この役職を拝命している。
私自身ももちろん会員である。

会員とは、リビングウイルを表明している人。
リビングウイルは、世界では当たり前のこと。
日本では、これを言っただけで攻撃される。

会員には、実にいろんなひとがいる。
もちろん、ALSなど、難病患者さんもいるし、
10代、20代の会員さんもいる。

リビングウイルを表明している、ALS患者さんは少なくない。
私自身、ALSの患者さんを何人か診させていただいている。
全員に、胃ろうと人工呼吸器を勧めている。

実際に、呼吸器管理の方が何人かおられる。
おそらく、胃ろうや人工呼吸を一番、しつこく勧める医師だろう。
拒否する人には、地上げ屋さんのように、夜がけ、朝がけして勧めている。

これらは延命措置ではなく、福祉用具なので当然だ。
できるだけ、いい医療、いいケアを受けて、生を楽しんでほしい。
これが、たくさんの難病患者さんを診させて頂いている自分の願い。

ALS以外の難病の患者さんも沢山見ているし、
患者会から講演も頼まれ、いろんなイベントにも参加している。
難病患者連絡会とは、常に連携している。

メデイアや宗教連盟や法曹界が作る対立構図は
意味がまったく分からない。
何も知らないひとが勝手に、対立を演出する。

せめて、以上の事実を知ってから取材に来てほしいが、
なんの知識もないメデイアの相手を毎日している。
まるでオウム真理教のような扱いをされるので閉口してしまう。

私が診ているALS患者さんたちに聞いて欲しい。
長尾が殺人者かって?
こないだ。そんな話をしたら、ALS患者さんに笑われた。

某有名メデイアに、「ALSの方がたくさん尊厳死協会に入られているのですよ」
と説明したら、「嘘だ」と絶句された。
嘘もなにも、ただの現実。

だから、リビングウイル協会と言った方が理解しやすいだろうか。
リビングウイルの啓発と管理を行っている人権団体だ。
もちろん、法的に認めて欲しいとも願っている。

しかし当たり前のことが当たり前でない日本。
たった数人の洗脳学者に騙されているひとたちが可哀そうでならない。
しかし洗脳を解くのは難しいだろう。

ただでさえ、辛い毎日を、笑って楽しく生きて欲しい。
洗脳学者のマインドコントロールから目覚めて欲しい。
御用学者に操られていることに、気が付いてほしい。

医師の8割がリビングウイル法制化に賛成している。
市民もおそらくそうだろう。

公開中の映画、「終の信託」を見た人の8割が
逮捕された医師は無罪であると答えている。(日経新聞報道)

明らかな殺人(尊厳死ではない)でも、無罪と言っているのだ!

ということは、尊厳死には、ほぼ全員が賛成だろう。

リビングウイルが口頭にすぎず、1人の医師の判断であり、
尊厳死でなく殺人であっても、「無罪」との市民の声が持つ意味は極めて大きいと考える。

尊厳死協会の会員さんは、当たり前のことを言っているだけ。
法制化は、日本国民のことを想い、真剣に主張されている。

私は、会員さんの代弁者にすぎない。

関西だけでも、1万8千人もの会員さんがおられる。
これはすごい人数だ。

みなさん、毎年、2000円の会費を払って
カードを大切に持ち歩いておられる。

関西支部の理事は、約10人。
医師は私一人。
弁護士はゼロ。

私以外は、全員、一般市民。
実は、私も一般市民なのだが、
たまたま医師でもあるので、支部長を拝命しているだけ。

私は、協会の方が好きだ。
私の患者さんの中にも、何十人かおられるが、みんなほんとうに優しい。
穏やかな最期を本気で望んでいる方は、本当に穏やかな方ばかり。

私は、そんな素敵なひとたちのお役に立ちたいと思い
ボランテイア活動をさせていただいている。
診療をサボって、患者さんに怒られるが。(笑)

日本をもっと強く、楽しい国にしたい。
今は危機だが。
そのためには、一人ひとりが死生観を持って生きることだ。

それは、私が医師を目指した原点でもあり、
現場の医師としてのライフワークでもある。

こうした活動に、30年以上、携わってきた。

以上が、協会の概略だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
私は、12.5万人の方の願いを叶えたい。


PS)
このブログをお読みのみなさまも、
是非、ご入会いただき、一緒に
リビングウイルを勉強しませんか?
http://www.songenshi-kyokai.com/

自分の最期の生き方は、自分で決めませんか!?

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