2019年8月22日木曜日

死の権利の法制化イメージ

ポイントとなるキーワードは、「行政手続き」です。

私の祖母の例でもあてはまりますが、死の権利のない状態では、周りに迷惑をかけないように、誰にも相談せず単独での自死を選ぶ以外にありません。
ですので統計上は約2万人と出ていたとしても、実際の数や自殺理由は不透明なままというのが現状です。

もしも私の考える死の権利が法制化されれば、多くの人は自殺ではなく安楽死を選択することになると思います。
そうなると、そこには行政手続きが介入する事になります。

スイスの制度では、2人以上の医師の判断が重要なポイントとなっているようですが、私は本人の判断と判断能力こそが重要であり、医学的な立場からのアドバイス、安楽死以外の方法を最大限に模索できる体制作りが必要だと考えています。

また、カウンセラー等をとおして生活環境、労働環境、精神面、社会体制などの様々な視点から問題解決を図り、それでも安楽死が必要と本人が判断した場合に初めて書類での手続きに進む必要があると考えています。

安楽死が決まった場合は、残された人へのメッセージを残すことが出来ます。日時と場所を指定することが出来ます。
それは、ご家庭で家族に看取られながら最期を迎えることが出来るイメージのものです。 ご家庭で家族に看取られながら最期を迎えることが出来る制度は、ひろく支持を得ることが出来ると考えています。

私は、安楽死をされた方のメッセージは、公文書として大切に扱われるべきと考えています。しかし、それによって死者のメッセージが社会的影響力を持ちすぎた場合は、その扱いに対して賛否が起こるかもしれません。メッセージを残すために、あえて死を選ぶ人が出てくるかもしれないからです。私は、死者のメッセージが大切に扱われるようになると共に、生きているひとりひとりの意見が、より大切に扱われる社会になるべきだと考えています。

死の権利のない現行制度の中では、本気で自殺を考えている人は誰にも相談することが出来ません。死の権利があるから相談することが出来るのです。

私は、死の権利の法制化によって、多くの自殺者の命を救えると考えています。
人々を自殺に追い詰める原因を明らかに出来ると考えていますし、行方不明者の数も減らせると思います。延命治療による悲劇などからも人々を救うことも出来ます。

死の権利は、命を大切にする制度です。一人一人の意思を尊重する制度です。その為の行政手続きが必要な制度です。
一人一人の命と向き合うことができるから、一人一人の命を大切にすることができます。

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